稽古場日誌

ダイバー 河合 達也 2015/03/04

深く潜るということ

研修生の皆様、毎日夜遅くまでお疲れ様です。
公演本番まで残り10日程、進捗はいかがでしょうか。どこまで深く潜り込めたでしょうか。

この『ダイバー』という名前を頂いたということは、今回の作品は皆様が潜り込む姿を観客に見て頂くということが命題になります。
もちろんテキストシーンや《ルパム》シーンなど各シーンで問われるものはありますが、最終的に見せるものはあなた方自身です。
この一年間の稽古であなた方は肉体的にも精神的にも研ぎ澄まされてきたはず。そして今この瞬間にも作品を通して自分を見つめ直し、何度もダイブしていると思います。

底は見えてきたでしょうか。

深く潜り込んで海底にたどり着いた時、自分の本来の姿が見えてくるかと思います。そこから先に、海底の泥を抉り取るように自分の深く脆い部分を抉った先に、あなた方がまだ見ぬ新しい魅力が見えてくると思います。

今のあなた方は魅力的ではない。

まだ。

この修了公演で、あなた方が深く潜り、限界をさらに抉った先にある魅力を引きずりだす所を見せて欲しい。その姿は僕や観客の方たちが感動する以上に、あなた自身が感動出来るものなのだから。

河合達也

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