稽古場日誌
学生時代、演劇サークルの先輩に、
「どうやってお客さんを増やしましょうかね」
と相談したところ、
「いい芝居を作ればいいんだよ」
と一喝されたおぼえがある。
その通りだ、と思ってずっと演劇を続けて来たが、
今、見渡してみると、
たとえば演劇というものに興味を持ちたい、
と思った人がいたとして、
一体どこへ行って何から始めればいいのか、
途方に暮れると思う。
俳優をめざしている人のためでなく、
観客をめざしている人のためのワークショップが必要なのでは?
そんな思いから始めた、
「大人のためのエンゲキのアレコレ」。
8月の初旬、
香川県高松に呼んでいただき、
お陰さまで、東京で開催した時と同じくらいの、
熱心なお客さまにお運びいただき、
潜在的に演劇を見たがっている人は、
随分といるのに、放置されているんだな、
とあらためて強く感じました。
安田雅弘