稽古場日誌

外部活動 倉品 淳子 2015/09/13

「牡丹燈籠」を終えて~えずこシアターの挑戦~

今年も恒例となっています、宮城県柴田郡小島大河原町のえずこホールの住民劇団えずこシアターの公演が 8 月末に行われました。

私が演出を始めて早 8 本目の作品となります。そして初めての既成の台本を使った芝居です。《山の手メソッド》を使って集団創作で作ってきたシアターの新しい分野へのチャレンジであります。

実は、この「牡丹燈籠」 3 年ほど前からやろうかどうしようかと、議論にあがりながら見送られてきた作品です。昨年の「となりのメデイアさん」で、韓国公演を果たし、さあ、次はどうしよう! というタイミングの選択でした。

本読みを繰り返し、キャスティングが決まったのは、 5 月。早いと思われるでしょうが、みな社会人ですから、練習できる時間がとても少ないのです。本番一か月前にはセリフが完璧に入って、ある程度シーンが立ち上がっていないと間に合いません。
本番一週間前の通しを見た関係者は、惨憺たる現状にその場では感想を言えず、あとから私に「信じているからがんばれ」という祈りにも似たメールを送る始末。(私には想定内でしたけどね♪)

ふたを開けてみると、これまでで最高人数のお客様にきていただき、好評のうちに幕を下ろすことができました。本当にありがとうございました。

住民劇団の面白いところは、いろんな年齢、いろんな体格の人が一緒に舞台に立てるところ。本当に親子の年齢の人が親子をやり、信じられない体格差の人が、主人と家来をやることによって、リアルを通り越したカリカチュアライズ(戯画化)されたリアルが出現するのです。

これから、どういうジャンルにどう取り組んでいくかはまだ、秘密です。えずこシアターはチャレンジを続けて行きます。来年の夏は宮城でお芝居見物をお勧めします!

倉品淳子

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