稽古場日誌

研修生 研修生 2015/10/19

中二病について

こんにちは、おっさんの小貫です。研修生二年目です。

私は研修生の間で流行っている、中二病という言葉を知りませんでした。

テレビを見ていると中二病を作った伊集院光が太宰治の「斜陽」について解説する番組を高橋源一郎と又吉直樹とアナウンサーでやっていました。
その中で、「直治は中二病の塊だ」と。
中二病とは「中学二年生頃の思春期に見られる、背伸びしがちな言動」だそうです。
伊集院光は揶揄するだけのことばではなく、恥ずかしさや痛さも含まれているのだということを力説してました。

実は私も太宰治には世話になりました。ラブレターに「斜陽」の一節を借用したのです。

「六年前の或る日、私の胸に幽かな淡い虹がかかって、それは恋でも愛でもなかったけれども、月日の経つほど、その虹はあざやかに色彩の濃さを増して来て、私はいままで一度も、それを見失った事はございませんでした。夕立の晴れた空にかかる虹は、やがてはかなく消えてしまいますけれど、ひとの胸にかかった虹は、 消えないようでございます。」

私にとっての太宰治というのは例えば、

つらくて仕方がないから旅に出て、人目につかないように気づかれないようにひっそりと忍び足で壁をつたうように歩いていたのに、電柱にぶつかってうずくまっていると猫が足元にじゃれついてきて、その先に赤い鼻緒が見えて。ああどこへ行っても隠れることも逃れることもできません。こんな僕の苦しみを君も分かってくれたらな。

そんな事をいけしゃあしゃあと言える人という印象です。

これからも中二病とは上手く付き合っていきたいと思います。

小貫泰明

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