稽古場日誌

会場の吉祥寺シアターは山の手事情社で初舞台をふんだ劇場。
10年ぶり、懐かしいです。
当時の若手メンバーで上演した「牡丹燈籠」で寺女という、道を聞かれるだけの素朴な役をいただきました。
台詞は一言、10秒もないようなシーンなのに相当テンパっていた記憶があります。
《四畳半》のヨの字もわからない時でしたから当然っちゃ当然なのですが、あれから10年。
私は今もテンパっています。
もうこれは、性格ですね。
今回「女殺油地獄」では主人公与兵衛の妹おかちをやるのですが、取り憑かれるシーンがあって、しかし、これは本当に取り憑かれたのではなく与兵衛の差し金で家族のためにやむなく大芝居をするのです。
大芝居だってすぐバレる程度じゃあ面白くない、でもほんとに取り憑かれてしまうだけに見えてしまったらもったいない。
このさじ加減をどうしようか、そもそもどんな芝居にするか、声と体が思い通りにならない・・・。
幸い色々アドバイスをくれる劇団員がたくさんいます。先輩も後輩も、研修生も、芝居をよくするためには上下関係なく言葉をかわせるところは劇団で芝居をする醍醐味でしょうか。
先日、演出助手の河合くんが、安田に怒鳴られそれはもう一番テンパっているときにいそいそ近づいてきて言いました。

「真美さん、テンションあがるとやっぱりアゴ前に出てます。可愛くないと思うんで。」

・・・いま、それ言う?????

その時は頭が爆発しそうになりましたが・・・気をつけてます。

さて、どんなシーンになるのか乞うご期待!(ヒヤヒヤ!)

「女殺油地獄」ぜひとも観に来て下さい!

越谷真美

******************************

『タイタス・アンドロニカス』『女殺油地獄』公演情報
https://www.yamanote-j.org/performance/7207.html

稽古場日誌一覧へ