稽古場日誌

連日の稽古も大詰めに入っています。
「タイタス・アンドロニカス」と「女殺油地獄」を行ったり来たり。混乱しながら日々格闘しています。
初日を迎えるのが恐ろしい。

「タイタス・アンドロニカス」は復讐につぐ復讐の物語。怒りと行動のバイオリズムが一致すると、殺人に走ってしまう人の様子が描かれています。

小学生の頃、教室で泣いて腕をブンブン振り回しながら喧嘩をしている光景を目にしていましたが、アレと同じです。一度キレると歯止めがかからない。

私もご多分に漏れず、教室でブンブン振り回していました。
よく覚えているのは、意識は案外冷静でもう喧嘩はしたくないのに身体が止まらない。考えるよりも先に手が出ている状態がずっと続く。止めるにはもう泣くしかない。

それ以来なるべく争い事はしない様に心がけました。いつでもニコニコ穏やかに過ごす。何故ならキレたら自分でも何をするかわからないから。

しかし時を経て現在、ニコニコしていたつもりが「さっきイライラしていたでしょ」「怒っていて怖かった」等といわれる機会が増えた。やばい歯止めがきかなくなっている。

ベタ稽古とは危険だ。否が応でも自分と向き合う時間が増える。疲労から、自分を装っている余裕も無い。ちょっとした事で劇団員に牙を向けそうだ。

ああ早く本番が来ないだろうか。

川村岳

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『タイタス・アンドロニカス』『女殺油地獄』公演情報
https://www.yamanote-j.org/performance/7207.html

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