稽古場日誌

タイタス・アンドロニカス/女殺油地獄 河合 達也 2015/12/03

広い空のような闇のお芝居

演出部の河合です。

「タイタス・アンドロニカス」現在鋭意稽古中です。
この作品は闇に満ちた作品です。闇に満ち、それでいて見晴らしの良い作品です。
犯し犯され、騙し騙され、殺し殺される、普段日常では光の当てられることのないドラマが平然と繰り広げられます。テレビを見れば殺人事件や売春、詐欺など様々なニュ ースが流れますが、その実体が何も映し出されないまま情報だけが氾濫します。しかし、この作品の芝居の中では平然と、淡々とそれらが表現されています。

それはもう圧巻ですよ。

人間の闇を知ったつもりでいたのに、このお芝居を見れば想像以上の人間の闇の深さを目の当たりにすることになります。それに比べれば自分の抱えている闇の部分なんて、どんなにちっぽけなことかとすがすがしくなるほどです。広い空をみて自分のちっぽけさを感じるあの感じに近いかもしれません。

吉祥寺からえずこへ、さらなる深化を遂げて、人の闇をお届けします。
乞う、ご期待!

河合達也

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