稽古場日誌

オセロー/マクベス 山口 笑美 2025/01/17

20周年からの40周年、そして……

2004年『夏の夜の夢』青山円形劇場

2004年『夏の夜の夢』青山円形劇場

2005年『銀河鉄道の夜』利賀芸術公園内スタジオ/東京芸術劇場 小ホール1

2005年『銀河鉄道の夜』利賀芸術公園内スタジオ/東京芸術劇場 小ホール1

20年前の2004年は20周年記念公演を行っていました。
青山円形劇場で『夏の夜の夢』『オイディプス@Tokyo』『jamゴールドブレンド』という三本立ての公演でした。
当時、20周年公演の幹事だったので、記念パンフレットを作ろうとか、Tシャツやクリアファイルも作ろうとか、幹事メンバーであれやこれや考えて、お祭り騒ぎのような日々でした。
ただ、公演を行うことに精一杯でそれから先のことなんて全く想像していませんでした。

あれからもう20年も過ぎたのかと思うと、あっと言う間すぎてびっくりします。
その20年は更に濃厚でした。

20周年の次の年にはドイツ・スイス公演、ポーランド公演。
その後、数年続いた怒涛の三本立て公演、5年間続いたルーマニア公演。
コロナ禍での公演中止、アトリエでの一人芝居や映像演劇公演などの試み。
個人としては出産子育てに忙殺される日々。
20年前には想像もしていなかったことが次々と起きました。

そして、いよいよ迎える40周年記念公演、久しぶりの二本立てです。お祭り騒ぎといきたいところですが、劇団は今大きな岐路に立たされています。
改めて思うと、あの怒涛の日々は、大変な状況がおきても走り続けられるよう劇団を鍛える準備期間だったのかなとも思います。
20周年の時には若手だったメンバーが演出を担い、主力俳優となり、20年間でたくさんのメンバーが増えて新しい風も吹いています。

2025年は蛇年、蛇が脱皮して再生するように、劇団もまた生まれ変わる年なのかもしれません。
山の手事情社がこれからどこに向かっていくのかは全く見えないし、私のこれから先も分かりません。
今、私の目の前に見えるのは40周年記念公演『オセロー』。
舞台の一瞬一瞬に命を刻めるよう、私も蛇のように執念深く、日々真摯に向き合って行きたいと思っています。

山口笑美

2010年『オイディプス王』ルーマニア・ハンガリー公演

2010年『オイディプス王』ルーマニア・ハンガリー公演

2011年『道成寺』アサヒ・アートスクエア

2011年『道成寺』アサヒ・アートスクエア

2019年『過妄女』[かもめ]下北沢 ザ・スズナリ

2019年『過妄女』[かもめ]下北沢 ザ・スズナリ

2023年『デカメロン・デッラ・コロナ』池上会館 集会室

2023年『デカメロン・デッラ・コロナ』池上会館 集会室

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劇団 山の手事情社 二本立て公演
『オセロー』『マクベス』
日時=2025年2月21日(金)~25日(火)
会場=シアター風姿花伝

詳細は こちら をご覧ください。

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