公演情報
山の手事情社20周年記念公演
7481…山の手事情社旗揚げから、今回公演まで。その日数の合計。
3作品同時上演!
山の手事情社は今年、創立20周年。お客様から再演希望の多かった3 作品を 大幅にバージョンアップして一挙にご覧いただきます。いずれも山の 手事情社の代表 作品。ベストのキャストに加え、ゲストに柳家花緑、清水宏 を迎え、パワフルな舞台 が実現します。
7481日
旗揚げ以来のポスターや写真といった資料をひっぱり出して、久しぶりにながめてみる。ずいぶん変わった。演技や演出スタイルの変化は、同じカンパニーとは思えない。旗揚げメンバーも私をのぞいて一人も残っていない。変わりたいと思ったことは一度もない。うそではない。むしろ、守るべきスタイルをさがし続けてきた。それをさぐる中で、立ち行かなくなっては次なる形をもとめ、新たなスタイルに挑戦する。今でもその連続である。
さまざまな実験や試行錯誤をくり返す中で、私にとって「劇的な時間」とは、舞台上に異質な緊張感が同居する状態にあると思えるようになった。その時間に出会うには、純度の高い、種類の異なる緊張感を許容し、支えるカラダが必須である。ギリシア悲劇の登場人物から日常的な東京の若者へ、そこからはげしいダンスシーンに移り、さらに大道芸よろしく一人語りで世界を築く。こうした変化を一個の肉体に収蔵する俳優という存在への興味はつきない。
山の手事情社は'80年代の東京で偶然演劇を始めた集団の一つのモデルである。手がかりがない中で、演劇史の文脈に自分たちを発見しようと格闘した一つの過程である。ストーリーテリングや政治やジャーナリズムといった機能から自由になり、もしかするとエンターテイメントからも解き放たれた演劇。では一体演劇の使命とは何か? 現代の演劇は作り手が意識しようとしまいと、その問いかけを内蔵している。私たちが愚直に戯れているものの正体は、つまりメタシアターの構造なのである。むろん山の手事情社は、まだその戯れの真っただなかにある。
照明・舞台美術=関口祐二(balance,inc.) 音響=斎見浩平 衣装=渡邉昌子・栗崎和子…「夏の夜の夢」「オイディプス@Tokyo」 寒河江真紀(lame☆trap)…「jam ゴールドブレンド」 舞台監督=本弘 宣伝美術=福島治 演出助手=小笠原くみこ 制作=福冨はつみ 製作=劇団山の手事情社・(有)アップタウンプロダクション
シェイクスピアの名作喜劇を、銭湯を舞台にスタイリッシュに描きます。職人の5人一役に落語界のホープ・柳家花緑が挑戦。現代演劇と落語のコラボレーションはまさに「夢」。貴族、職人、妖精と、入り組んだ男女の世界がアテネの森に展開します。
「夏の夜の夢」には人間どうしの恋だけでなく、ときには妖精と人間のエロティックな関係まで描かれている。登場する者たちは、舞台となる森で汗をかき、涙を流し、つばをとばし、鼻水をたらし、ついには精液さえ飛び散らす。森はそうした粘液を黙って吸い込んではいくものの、決して静かで厳粛な場所ではない。人間を狂気に駆り立てる解放区、つまり混沌そのものなのだ。それは欧米文明と伝統的な文化のはざ間という巨大な混沌に漂う、現代日本人を描くことにも通じる。
2500年以上前に書かれながら、いまだに超える戯曲がないとさえ言われるギリシア悲劇の傑作、ソフォクレスの「オイディプス王」。この原作をTokyoに生きる女性の見た悪夢としてとらえなおし、運命に翻弄される人間世界を描きます。2005年には、この作品でヨーロッパツアーを予定しています。
「オイディプス王」に描かれている運命とは「怒りと暴力」の象徴である。謎の解けない人間を殺すスフィンクス、そのスフィンクスを滅ぼし自らの父を殺したオイディプス、そのオイディプスの足に鋲(びょう)を打ち込んだ父ライオス。その話から数千年たった現在、世界にはあいも変わらず暴力の連鎖が渦巻いている。社会には肉体の尊厳が欠如している。その価値観の先にあるのは人類滅亡の予感である。オイディプスはその価値観を支えていた己の目をつぶす。あらたに獲得した視界、私はそこに希望を見たい。
俳優の頭と体だけを材料に繰り広げられる独特のトレーニング《山の手メソッド》。それをエンターテイメントにまで昇華したのが「jam」。今回は、特別ゲストに、かつて《山の手メソッド》の即興性を極限まで高めた伝説の俳優・清水宏を迎えます。柳家花緑も落語を武器に参戦。山の手事情社俳優とのバトルロイヤルが実現します。稽古場のビビッドでゾクゾクするような興奮をたっぷりとお楽しみください。
「jam」は答えである。現代の私たちが演劇にどのように近づけばよいのか。わが国では明治以来、公教育の課程に音楽や美術の時間はあっても、演劇の時間はなかった。国語の授業で演劇を教えるのは、音楽を数学で教えるように妙なことだ。教養の質が違う。演劇の教養とは、生身の人間がその場の空気を変えること、といって差し支えない。演劇は本来、日曜大工や料理と同じくらい手軽に親しめるものなのだ。
:jam ゴールドブレンド | :夏の夜の夢 | :オイディプス@Tokyo |
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2004年9月4日(土)
全席指定 前売 4,000円 ・当日 4,800円
学割 3,000円(入場の際学生証提示)
セット券(同時購入のみ) 3演目セット券 10,000円 / 2演目セット券 7,500円
※各種割引は劇団予約のみ、前日までのご予約が必要となります。
※各種セット券の組み合わせは別演目でお選びください。
※ なおお求めの際、それぞれ日時をご指定いただきます
山の手事情社オフィス 03-5760-7044 ticket@yamanote-j.org
チケットぴあ 0570-02-9988(演劇専用)
0570-02-9966(Pコード:355-894)
山の手事情社 03-5760-7044 info@yamanote-j.org