稽古場日誌

傾城反魂香 福冨 はつみ 2017/10/12

あとはお客様を待つばかり

これまで色んなメンバーが書いてきているように『傾城反魂香』は再演です。
再演は配役変更による期待、演出の深みという面白さもありますが、劇場が変わる楽しみもあると思います。

1999年の初演は西荻WENZスタジオ。
2003年は SAI STUDIO大山。
2007年は赤坂RED/THEATER。
2011年はルーマニアの3都市を周り、アサヒ・アートスクエア。
そして今回は大田区民プラザ大ホール。

先日大田区民プラザ大ホールの客席で通し稽古を見ました。
とっても心地よい客席でした。
もちろん好みもありますが、作品と劇場の相性ってあるんですね。

『傾城反魂香』は男女、親子、師弟など、いまのわたしたちにも身近に感じられる関係性も含まれています。それを周りに邪魔されずに、ふわーっと作品と一体になれる感じを大田区民プラザ大ホールは持っているように思います。

先に書いたとおり、『傾城反魂香』はルーマニアでも上演しました。日本の作品を海外で上演することが初めてでしたので不安もありましたが、思いがけないシーンで笑いが起きたり、拍手がわいたり、日本の作品を海外の方と共感できたことを嬉しく思いました。大田区民プラザ大ホールはその時の劇場と同じ匂いを感じます。
(ルーマニアのトゥルダという都市での公演の様子がYouTubeにありますのでご覧ください。https://youtu.be/9-2-mxZvodE

「再演」。
焼き増しのように思われがちですが、新作と変わらない過程を経て創作し、新作以上に深みを増します。『傾城反魂香』を観たことがあるお客様にこそ、もう一度大田区民プラザ大ホールで観ていただきたいと思います。そして、まだ観たことのないお客様には、私の大好きな『傾城反魂香』をこの劇場でご覧いただければ幸いです。

日本人の心に響く作品です。

いよいよ劇場入りしました。
着々と舞台が出来上がり、稽古場では叶わない照明や音響も入ります。
そして、お客様に観ていただいて作品は仕上がります。
皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げます。

福冨 はつみ

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『傾城反魂香』
2017年10月13日(金)~15日(日)
大田区民プラザ 大ホール
公演情報はこちらをご覧ください。
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