稽古場日誌
今回稽古場日誌は「稽古場ではこんな事が行われている! 」をテーマにレポート形式でお送りします。創作作業が行われている現場の様子をお楽しみ下さい!
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朝のミーティングで、安田から今回の見どころについての話がある。
まだまだ何の片鱗も見えていない中で、お客様にどんな芝居になるかを伝えるためだ。
安田にはリア王と浦島太郎のつながりに確信があるようだ。だが、その作品を作るのは私たちにほかならない。
考える。考えすぎて頭がカチンコチンにならないようにしながら、考える。
今日で、浦島太郎をモチーフにした《ルパム》(俳優が踊るダンスの様なもの。)の創作(グループワークで作っている。)も一旦終了する。
みんな、最後の最後まであきらめない。時間の限り、選択肢を増やすために作り続ける。
面白いシーンがたくさん作られたが、この中で、舞台に乗るのはほんの少し。納得のいく作品を作るためには、たくさんの削られる部位が出てくるのだ。
「獺祭磨きその先へ」みたいにならないように気を付けたい。わかる人だけわかればいいという作品ではなく、もっと多くの人の心をつかんで離さない作品を作りたいのだ。
獺祭? おいしい日本酒です。
並行して、「リア王」の読みが進む。16日現在、実は私、リア王をまだ、ちゃんと読み込めていないと痛感している。焦る。今までどんなに言葉を読んでいてもわからなかったことが、実際に立体になっていく時点で新しく気が付くことがあるのだ。この気づきは、毎日塗り替えられていく。でも、これだから芝居はやめられない。
倉品淳子
劇団山の手事情社公演『うリアしまたろ王』
日程=2018年10月18日(木)~21日(日)
会場=東京芸術劇場 シアターウエスト
詳細は こちら をご覧ください。