稽古場日誌

うリアしまたろ王 研修生 2018/09/30

内面の興奮

今回稽古場日誌は「稽古場ではこんな事が行われている! 」をテーマにレポート形式でお送りします。創作作業が行われている現場の様子をお楽しみ下さい!

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研修生の太田成美です。
ホワイトボードには「あと25日!! 」の文字が……。いつの間にか一月を切っております。来月の予定がみえてきた皆さま、ご予約お待ちしております!
さて、そんな本日の安田氏語録。
「言い方はそれでいいからさ、もっと内側を興奮させてよ」
大事なラストシーンでのダメ出しです。
内側の興奮……と聞いて思い出すことがあります。
最近、研修生の課題として能について調べております。能は最小限の動きと言葉でその役の心情や状況を伝えます。能舞台という限られたスペースで扇子を持って歩き、謡い伝えるのです。
観客の想像の余地を残すためのようですが、正直、それだけでは役の心情がわかりにくい。
かといって分かりやすく、笑う、泣く、怒鳴れば伝わるかというと、そうでもありません。
心情が分かるために、演者は一体何をするのか?
おそらく、演者が本当にその場に居る。
言い方を変えれば、その役を降ろす。
本当に体感していれば、それが不思議と観客に伝わるのです。
制限されているはずの声や体からそれらが滲み出て、あるいは第六感として伝達されます。
私としては、安田氏の内側の興奮とは、そこにあると思うのです。
そして、日々役者陣がそこに近づいているとも。
残り25日、毎回毎回稽古に付きっきりになれるわけではありませんが、間近での先輩方のトライアルを、心の目に染み込ませて行きたいと思います。
『うリアしまたろ王』必見です!

太田成美

劇団山の手事情社公演『うリアしまたろ王』
日程=2018年10月18日(木)~21日(日)
会場=東京芸術劇場 シアターウエスト
詳細は こちら をご覧ください。

うリアしまたろ王

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