稽古場日誌

うリアしまたろ王 研修生 2018/10/18

『うリアしまたろ王』の足跡

『リア王』と『浦島太郎』という2つの物語が、1つの作品『うリアしまたろ王』になっていく現場に立ち合っている。
ある日の研修生稽古日。
稽古場で「うリアしまたろ王」が辿った足跡を見付けた。浦島太郎の歌詞がホワイトボードに書かれていたのだ。
一番の歌詞は良く歌ったし覚えていたけれど、二番以降の歌詞を歌った記憶が薄い。改めて歌ってみると、軽やかなメロディに浦島太郎の歌詞が滑稽で切ない。
「遊びにあきて 気が付いて お暇乞いもそこそこに 帰る途中の楽しみは 土産にもらった玉手箱
帰ってみれば こは如何に 元居た家も村もなく 路に行き合う人々は 顔も知らない者ばかり
心細さに蓋取れば 開けて悔しき玉手箱 中からぱっと白煙 たちまち太郎はお爺さん」
家も村も周囲に居た人々も、色んなものを失って心細くなった時、浦島太郎は玉手箱を開けざる得なかった精神状態だった。ほんの一瞬、何かを取り戻したかった、何かにすがりたかった、そんな心の揺らぎがあったことを想像する。
皆さまもぜひ『リア王』と『浦島太郎』の足跡を辿ってみませんか?  劇場でお待ちしております!

武士祐紀乃

劇団山の手事情社公演『うリアしまたろ王』

日程=2018年10月18日(木)~21日(日)
会場=東京芸術劇場 シアターウエスト
詳細は こちら をご覧ください。

うリアしまたろ王

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