稽古場日誌

オドラデク 河合 達也 2020/03/28

『オドラデク』創作に関わりながら気づいたこと。

『オドラデク』創作メンバーはみんな個性的です。毎日の稽古の中で気づいたことを紹介させてください。

・丸顔ショートの十紀子はご飯を食べるのが超早い。消化に悪そうで、もっとよく噛んで食べてほしい。稽古中はいつも飄々としているのだが、後ろ暗いものを腹に抱えていると思う。それを表に出さないのでちょっぴり憎く、意地悪なダメだしをしたくなる。
・真面目そうな風貌の宮崎は、周りからよくいじられる。本人も優しいからかノるのだけれどすこし笑顔が引きつっている。熱い芝居をするのだけれど、頭が固いところがあり柔軟な対応が苦手。
・高校生にも見える童顔のいろりは普段の行動が小動物的。コロコロと表情が変わるのだけれど、全体的に怯えが混じっている。いつも頭の中がグルグルとしていて身体や声が縮こまりがち。
・白い肌に黒髪ロングの彩は、見た目に似つかず気がついたら腹筋している。仕事や作業を頼みやすく責任感が強いのだが、芝居が段取りっぽくなりやすい。
・幕末の武士みたいな髪の栗田は謎が多い。厚底ブーツを履き、誰が作ったのか、手の込んだ弁当を持ってきて、遠い目をしてタバコを吸う。狙って芝居をせずただ相手に集中をしているときは引き込まれるほどカッコいい。
・みはるさんは毎日同じトーンで稽古場にいる。苦悩の日々のはずなのに挨拶の声も演技指導も明るくて軽やか。劇団員からの信頼も厚く誠実に仕事や芝居をするためよく放任されている。理不尽なダメだしをせずわかりやすい言葉でダメだしをするので、出演者はみはるさんを頼りすぎてしまっているように感じる。

毎日同じ釜の飯を食うとそれぞれのいろんな面が見えてきて、舞台上では見えない魅力をたくさん発見できます。
そんな出演者たちの姿もいろんな人に知ってほしい。
もちろん舞台上で輝く姿もいろんな人に見て欲しいです。

河合達也

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odradek

2019年度研修プログラム修了公演『オドラデク』
日程:2020年4月8日(水)~12日(日)
会場:大森山王FOREST
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『オドラデク』公演について

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