稽古場日誌
「君は彼氏に言いたいことがなかなか言えないタイプだね」
山の手事情社の「一日体験入団」に参加した日、初めて会った劇団員にこう言われた。
その断定的な言い方はムカつくし、ヘタすりゃセクハラだし、今それ関係ありますかって言い返してやりたかった……つまり、完全に図星だった。劇団員U氏は、私の発声を聞いただけでそう思ったらしい。
鳥肌が立った。
これが俳優の眼か、そう思った。
声の出し方から性格が分析できるということは、逆もできる。すなわち、台本を読んで性格をイメージしたら、そこから声の出し方や身体の動かし方など具体的な役作りに繋げるのだ。
しかもその眼は、指導者の眼でもある。
U氏はなにも、私を貶めたり自分の役作りに利用するためだけにあんなことを言ったわけではない。私が俳優になるためには、何が足りないか、どんなことを意識するべきか、というヒントをくれたのだ。
「うおーすげー!」と、「いやちょっとうさんくさくないか!?」が、しばしせめぎ合ったが、やはりこの山の手事情社の劇団員が持つ観察眼は魅力的で、私は研修生となった。
鋭い観察眼にさらされる日々はキツいが、必ずや自分の糧になることと思う。
名越未央
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