稽古場日誌

その他研修生 中川 佐織 2020/07/30

学校じゃないことが良さかもしれない

私が演劇を始めるにあたって、大学や専門学校ではなく山の手事情社という「劇団」を選択したのは、「学校」という場所が得意では無かったからです。
学校は、さまざまな人と出会える良さがある反面、人が多いのでそれだけ人との関わりに時間を割かねばなりません。その点で煩わしさを感じることもありました。やりたいことを突き詰めるために、周りに多くの人がいることは(自分にとっては)良くないことも多かったように思います。

また、先生と生徒という関係も得意ではありませんでした。けれど、山の手事情社に入り、「師と弟子」という関係を知りました。これは、互いに敬える関係です。もし劇団を辞めても、多くのことをずっと学べるように思えます。
何より、舞台で実戦を重ねている人たちの経験に基づく言葉には力強さがあります。実戦の場を目の当たりにすることも、とても刺激になりました。

今年度の山の手事情社の研修プログラムは半年間です(私の入団当時は1年間)。
この期間、集中して演劇に取り組むことで、自分自身の進歩をある程度確認できるはずです。半年後、仮に山の手事情社に入団しなかったとしても演劇人としてのスタートラインに立つことが出来ると思います。

ちなみに私が研修期間を経て、ここに入団したいと思ったのは、山の手事情社の作品を観て、心が動いたから。それに尽きます。

最後に、「劇団」という集団の魅力はなんだろうなと考えると……
演劇の魅力を伝えるために、経験に基づく言葉、具体的な技術のこと、これらを見返りもなく伝えてくれるお節介な集団であること。それが魅力なのだろうと、今も感じています。

24歳だった当時を振り返りました。
その年齢で、演劇に初めて出会いました。
それから、約10年。
まだまだ演劇の奥の深さに、途方もなさと楽しみを感じている毎日です。

中川佐織

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