稽古場日誌
私は大学生の時に、山の手事情社のワークショップに参加した。
今は昔、四半世紀以上も前、まだ山の手事情社の研修プログラムがはじまる前のことだ。
本公演で配布チラシの束の中に、ワークショップ参加と劇団員募集案内の両方が入っていた。
私はその両方に応募をしたのだが、劇団からの連絡で、まずはワークショップに参加をすることとなったのである。
後から知ったのだが、これが劇団で実施する最初のワークショップだったそうだ。
今思うと各回贅沢な内容で、期間も長く発表会も実施した。毎回、ワークショップ終了後には飲み会となり様々な話も聞くことができたし、劇団の稽古見学や、希望者は若手稽古に出席して基礎訓練を体験することもできた。
その後まもなく劇団員になり、突如として劇団の全体稽古と若手稽古の両方に参加をすることになった。
当然もろもろできない。《ルパム》(山の手事情社独自のダンスシーンのこと)にいたっては、「後ろの方でとりあえず一人でやっておいて」という感じだった。若手の《歩行》稽古でも後ろについてとりあえずやってみる。やはりもろもろできない。指摘は受けるが稽古時間にあまり教えてもらうことはできないので、とにかくやってみて練習する、という感じだった。
本当にワークショップに参加して体験し、また過去の公演を何年も観ていて良かったと心から思った。
それからは諸先輩の稽古や公演を見て真似て、学んで、自分なりに工夫して、また稽古に参加して……と、必死なりにも貴重な時間を過ごしたと思っている。(もちろん教えていただいたこともたくさんあります!)
一年後、劇団員指導による研修プログラムが始動することになり、研修生稽古が開始された。
各基礎訓練、メソッドを同じスタートラインで学ぶ時間があるということは、素晴らしいと思ったものだ。まるで歌舞伎俳優育成、国立劇場の研修プログラムが実施されるようになったという歴史に、自分なりに思いを馳せるような感じである。
何かを学ぶにも、師匠から直に指導を受ける他に、先に歩いている先輩方に惜しみなく教えていただける環境があると習得が非常に早い。だから、やはりどういう風に考えてどういう風にしていったらいいのか、本当のベース、基礎を教えてもらう、ということはやっぱり大事だと思う。
研修プログラムも熟成され、今期は半年間で、集中して実施することになりました。
当初も半年だったことを考えると、大きく一周してさらに高い次元でレベルアップした指導内容となることと思います。
ぜひ「チャンス!」と思って、ご参加ください。
長谷川尚美
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