稽古場日誌
池上show劇場【DELUXE】 安田 雅弘 2023/01/04
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
昨年暮れから、YouTubeで山の手事情社の本番動画を無料配信しています。
https://youtu.be/xjLE9JJedUg
2021年9月――もう、一昨年ということになってしまうんですね――の『池上show劇場【DELUXE】』の冒頭をかざった『山の手めそっど寄席』。1時間半の本番がまるまるご覧になれます。
どんなお芝居をするにも、最低これだけはやっておかなきゃね、と私が考えている稽古が3つあります。
《ものまね》
《漫才》
《ショート・ストーリーズ》
《ものまね》 …… 身近にいる印象的な人のまね。
《漫才》 …… 強い感情で応酬する日常的なグチ。
《ショート・ストーリーズ》 …… 周辺で起こりそうなドラマの再現。
それぞれに狙いはありますが、それはまた改めて。
『山の手めそっど寄席』は上記3つの稽古から作られています。
ネタはすべて俳優さんが持ち寄りました。
たとえば最初の《漫才》、川村 岳が家族旅行で行ったバルセロナで実際に体験した話なんですが、ほんとに実話なの? というくらい面白い。無事解決するとはいえ、結構悲惨な話なのに、いや悲惨な話だからこそ、笑える。《漫才》というトレーニングにはそういう魔術があります。
《ものまね》は安部みはるの「東京観光のじいさん」が秀逸。最小限度の動きとセリフでおじいさんが見えてきます。女優の安部みはるが、男性の年寄りに見えるというのは本当に不思議な現象だなと感じます。《ものまね》には演技のさまざまなエッセンスが潜んでいると思います。
《ショート・ストーリーズ》のおススメは、「カウンセリング」と「ラーメン屋」。こんなカウンセラーもこんなラーメン屋もあるはずないのですが、目の前で展開すると、ありそうに感じられ、そう感じている自分も含め、内容のばかばかしさに思わず大笑いしてしまいます。演劇というのは実際に目の前でできごとが起こるので、どんなに荒唐無稽な場面でも一瞬現実として信じてしまうという効果があります。
クスクス笑って、ああ、演劇ってこんな稽古するのか。と感じていただけるとうれしい。
《漫才》あたりは演劇未体験の方でもすぐにできます。
ちょっとお芝居やってみたいな、どんな練習をするのか体験してみたいな、という方、山の手事情社にはいろいろなおためしワークショップがありますので、ぜひ飛び込んでみてください。
一日体験入団(次回:1月22日)
https://www.yamanote-j.org/ws/23803.html
学生のための演劇ウィンタースクール 2023(2月9日~11日)
https://www.yamanote-j.org/ws/24471.html
演劇ジム(定期開催中)
https://www.yamanote-j.org/ws/19978.html
安田雅弘