稽古場日誌

僕らはみんな逃げている 福冨 はつみ 2024/02/18

気づきははじまり

私はいま島根県に住んでいます。家族の都合で引っ越して、もうすぐ9年です。島根に越してからも、このとおり山の手事情社での活動を続けています。

劇団に入ったのは、地元にいたときに関わったイベントがきっかけでした。20代でそういうものに初めて触れた私は、「小さいころにもっといろんなものに出会えていれば」「地域差なく触れられる環境づくりができれば」そんな想いをもち、演劇と関わることになります。
そうやって劇団活動を続けながら、思いもかけず、東京から地方に生活拠点を移すこととなります。
この流れから演劇活動をはじめたときの想いをかなえる「千載一遇のチャンス」と誰もが思うでしょう。私も心のどこかにその気持ちがなかったわけではありません。
でも、自信がなかった。いま振り返るとそうだったのだと思います。
自分が表現者でないこととか、東京との行き来で忙しいこととか、なんだかんだ理由をつけて、その気持ちを横に置いて数年経ちました。

何がきっかけかわかりませんが、ここ最近、ちょっと気持ちが変わり、表現者でないこととか、忙しいとか、さらに自分の言葉の拙さとか、至らない点は全く変わらないのだけれど、それは言い訳であって、逃げていただけだと気づきました。
根底の気持ちに変わりはなく、せっかくそんな環境に身を置けたなら、飛び込めば良いじゃないか。
そうしてみると、少しずつ島根での活動が広がりはじめました。
時間がかかったけど、気づけてよかった。

今回の公演タイトルは演出の谷さんがつけました。
「今年度のニュージェネレーションメンバーはどことなく“逃げている”感じがある。」
谷さんの稽古場日誌に書かれています。

気づけば何かがかわる。気づくことからはじまる。
ニュージェネレーションは“逃げている”ことに気づいただろうか。 公演が楽しみだ。
頑張れ、ニュージェネレーション!!

福冨はつみ

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ニュージェネレーション公演『僕らはみんな逃げている』
構成・演出=谷 洋介

日程=2024年2月28日(水)~3月3日(日)
会場=山の手事情社アトリエ

詳細は こちら をご覧ください。

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