稽古場日誌
この度の公演『夏の夜の夢』の演出を担当する、小笠原くみこです。
劇団が創立40周年を迎え、この記念すべき年に、演出を担当できますこと、うれしいと同時に、緊張しております。40年も劇団が続けてこられたのは、応援してくださる方々のおかげです。本当に感謝です。
「夏の夜の夢」は、縁の深い作品です。
今から29年前の1995年、『夏夢ちゃん』というタイトルで、山の手事情社の公演がおこなわれました。この作品は、舞台上でまったく違うシーンが同時に進行する《ハイパーコラージュ》と名付けた演出・創作方法で製作しました。(詳しくはこちらをご覧ください。https://www.yamanote-j.org/about/)この時は、原作の「夏の夜の夢」の一部シーンのみ扱い、様々な要素と組み合わせた公演でした。一部ではありましたが、この公演で初めて古典戯曲に取り組んだはず、です。
というのも、私はまだ劇団に入っておらず、お客さんとして山の手事情社を初めて観た公演でした。目まぐるしく様々な要素が展開する《ハイパーコラージュ》の舞台は、ただただ衝撃で、消化不良のような感じになってフワフワと帰宅しました。ですが、いまだに舞台上でおこなわれていたいくつかの要素が目に浮かんできます。その後、古典戯曲を扱う公演に移行するきっかけになったとも言える公演でした。
その後、1998年におこなわれた『男の冬 女の森』という若手公演でも、「夏の夜の夢」の一部が使われました。今ではベテラン俳優となった、あの人も、あの人も、あの人も、劇団に入りたての中、四苦八苦しながら稽古を重ねて出演していたことを思い出します。そして、2000年に全編扱った『印象 夏の夜の夢』がおこなわれました。この公演では、落語家の柳家花緑さんにゲストとしてご出演いただいたのでした。
全編扱ったこの公演は、タイトルを『夏の夜の夢』に改めて、2004年の劇団創立20周年公演で再演しました。
そして、現在です。
そうなのです。20年ぶりに『夏の夜の夢』公演をおこなうことになったわけです。こんなに縁もゆかりもある作品で、20年前とは全く違う演出と出演者で挑みます。29年前、20年前にご覧いただいた方も、全く初めてご覧になる方も、楽しんでいただける作品にすべく、日々稽古に奮闘しています。今年の夏はぜひ、新たな『夏の夜の夢』にお越しください!
小笠原くみこ
**********
若手公演『夏の夜の夢』
日程=2024年7月27日(土)~8月4日(日)
会場=山の手事情社アトリエ
6月5日(水)予約受付開始。
詳細は こちら をご覧ください。