稽古場日誌
馬込文士村演劇祭/馬込文士村 空想演劇祭 越谷 真美高島 領也 2025/12/15


馬込文士村演劇祭2025『さるかに』の出演者からコメントをお届けします!
◎ 高島領也
僕の生まれた北海道には柿の木がない。だから『さるかに』でカニがおにぎりと柿の種を交換するのも、「サザエさん」のカツオ君が他所の庭の柿を落として食べようとするのもあまりピンと来なかった。
さて、『さるかに』のカニは今の空腹を満たすおにぎりよりも、将来により大きな利益を生み出す柿の種を選んだ。しかし、そもそもカニは柿を食べる性質はない。むしろ食べ合わせは悪い。
もしかしたら、柿農家として生計を立てようとしていたのかも知れない。柿の木を柱に家を建てようとしていたのかも知れない。そこには何かしらのカニの思いがあったに違いない。
◎ 越谷真美
娘に「そもそもあんまり好きじゃないんだよね~。いじわるしたひとをいじめでやり返す話でしょ?」と言われてしまいました。確かにね。イマの子は軒並み“優しくないこと”に敏感です。
しかしどうなんでしょうね、『さるかに』の猿のように、困ったことを起こしたひとを大勢でこらしめたり、インターネットで叩いたりするようなことって巷にあふれていますよね。誰かを助けようとする“優しい”気持ちが、なぜか“優しくない”行動につながってしまう。これを「さるかに現象」と名付けましょう。その仕組みが、今回の舞台を観るとちょっとだけわかるかもしれません。
ぜひ親子でご観劇ください。お待ちしております!
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『さるかに』
あらすじ:カニは自分が育てた柿の木から実を取ってもらおうと、サルにお願いしました。ところがサルは美味しい柿をひとりじめして、カニにケガをさせて行ってしまいました。子ガニは怒って、栗や蜂たちと復讐をくわだてます。
構成・演出:川村 岳
出演:越谷真美 谷 洋介 高島領也 有村友花 鍵山大和

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OTA アート・プロジェクト
馬込文士村演劇祭2025~ものがたりの世界にふれよう~
演劇公演『泣いた赤おに』『りゅうの目のなみだ』『さるかに』
日時=2025年12月20日(土)・21日(日)
会場=大田文化の森 ホール
詳細は こちら をご覧ください。