稽古場日誌
methods&過妄女 研修生 2019/06/11
2019年度研修生の柴 十紀子です。山の手事情社の芝居を初めて観たのは高校2年生のとき、それは若手公演の『にごりえ』だった。観劇後の私は、脳みそに強い痺れと、どうしようもないジェラシーを俳優の方々に対して感じていたのを憶え...
劇団山の手事情社の修了公演は、構成演劇と呼ばれる形式だ。1年間の稽古の中で、自分たちの経験や考えたネタを元に作ってきた様々なシーンを組み合わせてひとつの作品にする。『あたしのおうち』には、山の手事情社独自のフリーエチュ...
本番まで5日を切り、今は絶賛追い込みをかけながら、毎日稽古の日々、ふとした時に「高見、さっきと同じ事やってる」と指摘を受ける事がある。 ここで言う“同じ事”というのは、芝居の再現性の事や芝居の段取りを間違えたという事では...
役を演じるために、いらない自我を捨てるにはどうしたらいいのかわからない。気持ちとちぐはぐになっている30代最後の身体に気付いて焦る。何が面白いのかを見失う。ダメ出しの数と重さに落胆する。 本番まであと少し。苦しい。 そう...
私の座右の銘として『一期一会』を掲げている。何故なら、“人の心”も“今という瞬間”も二度と同じものなどないからだ。 稽古で、昨日できたことが今日できない事もよくある。それは、ちょっとした台詞の言い方、間のあけ方、自分と相手...
自分が芝居をやっているルーツについて書いてください、という事で考えてみる。そして、書いたものを劇団員の方にチェックしてもらう。差し戻されてしまった。「具体的な事、高見個人の考えや視点に欠けている」と言われた。そうなの...
自分でない何かになるのが楽しかった。ただ漠然と些細なところから始まった。 劇団の研修生になって、色んな物事を軽く考えていた。だからだろうか、私は劇団の輪の外にいる感覚が何処かであった。 認識を改めないといけないと強く思...
私が芝居をやるルーツの1つは、両親から受け継いだDNAにあると私は思っています。母は昔、人形劇団プークで俳優をしていました。父は昔、文章を書く仕事をしていました。表現することを好む両親の間に生まれた私が現在お芝居をしてい...
こんなにしんどいのに、私はなんで芝居をやっているんだろう。そのルーツを考えてみた。 思えば私の通う小学校では、毎年秋の終わりに学習発表会を行っていた。体育館にストーブを設置して、全学年で一日かけて劇をしていた。一学年三...
『リア王』と『浦島太郎』という2つの物語が、1つの作品『うリアしまたろ王』になっていく現場に立ち合っている。ある日の研修生稽古日。稽古場で「うリアしまたろ王」が辿った足跡を見付けた。浦島太郎の歌詞がホワイトボードに書...