公演情報
構成・演出=安田雅弘
日程=1993年11月5日(金)~23日(火)
会場=シードホール
私は演劇を失ったら〈真実〉を失う
たしかに芸術は美しい。だが、美は芸術の最終目的ではない。それはいわば餌みたいなものだ。美によってそれに魅きつけられ、美のうしろに真実があることを知るのだ。真実とはなにか?それは定義しうるものではなく、体験するものだ。 (セルジウ・チェリビダッケ)
ずいぶん前から考えていることだが、私たちはそろそろ「人類はいずれ滅亡する」という前提に立つべきではないか。それは「人はいずれ死ぬ」というのと同じくらい当然のことでありながら、まったくといっていいほど語られない。しかし私は思う。人類はいずれ滅亡する ここから考え始めるべきなのだ。それはすばらしいことだ。むろん悲しむべきことではない。死を前提としているから人生に意味が生じるように、その前提は人類の営みを祝福こそすれ、汚すものではないはずだ。人類滅亡の原因が天災でないならば、それは〈真実〉を失った時だと思う。(それ自体が天災かもしれないが・・・)。〈真実〉は宇宙の絶対性をいろいろな形で私たちに語りかける。私の場合、それは演劇だ。私は演劇を失ったら〈真実〉を失う。私にとって演劇は〈真実〉を体験するのに最も適した方法なのだ。
スタッフ
舞台監督=小林潤史
照明=関口祐二(AIR POWER SUPPLY)
選曲=斎見浩平
音響=伊藤紀克
宣伝美術=福島治・水谷充
制作=奥林啓史
1993年11月5日(金)~23日(火)
前売 3000円
当日 3500円
シードホール